SD Financial Technology株式会社 九州オフィス

SD Financial Technology株式会社 九州オフィス 新会社 SD Financial Technology株式会社を宜しくお願い致します! ソシオ・ダイバシティは、様々な社会的多様性(Diversity)とあらゆるテクノロジーで 皆さまの業務課題を解決することを目的に組まれたパーティー(Socio)です。我々は 企業さまのIP化を強く推進してまいります。

09/05/2025

みなさんこんにちは。弁護士の吉田桂公です(のぞみ総合法律事務所パートナー弁護士、MBA(経営修士)、CIA(公認内部監査人)、CFE(公認不正検査士)、認定経営革新等支援機関、日本損害保険代理業協会アドバイザー)。

令和7年4月18日に、生命保険協会「営業職員チャネルのコンプライアンス・リスク管理態勢の更なる高度化にかかる着眼点」が公表されました。
https://www.seiho.or.jp/info/news/shared/mt-item/20250418_2.pdf

令和6年10月1日~11月15日に実施された「着眼点」に係るフォローアップアンケートの結果や、令和7年2月5日に実施された「お客さま本位推進会議(役員級意見交換会)」で共有された各社の取組みの中で見られた、会員各社の新たな取組みについて、「着眼点」の「参考となる取組例等」に追加されています。
これらの取組例は、生命保険会社の営業職員チャネルのコンプライアンス・リスク管理に関するものですが、保険代理店にとっても参考になると思います。

例えば、「より良い企業文化の形成に向けた取組み」として、以下の事例が挙げられています。
・・・・・
①ケーススタディを通じて行動規範を学ぶ教材を提供することで、社員が行動規範を起点に考え、行動できる習慣づくりをサポートする等の取組みが見られた。
②「違和感や気づき」の報告を歓迎する文化を浸透させるため、社員が感じた「違和感や気づき」を経営陣や管理者に報告することの重要性について会社全体で共有する等の取組みが見られた。
・・・・・
上記①について、「ケーススタディを通じて行動規範を学ぶ」ことは、具体的にどういう場合に何に気をつけないといけないか等の腹落ちがしやすくなるため、行動規範を身に付ける上で有用です。
上記②について、現場から「違和感や気づき」が報告されないことで、経営陣が不祥事の存在に気づかないまま放置され、結果、重大な不祥事の発生につながることがあります。現場が感じた「違和感や気づき」を経営陣や管理者に報告することの重要性について会社全体で共有することは重要です。

「教育・研修」では、以下の事例が挙げられています。
・・・・・
③お客さま本位の行動を実践し、お客さまから感謝いただくことができた事例について、営業職員間で話し合う機会を提供する等の取組みが見られた。
・・・・・
このように、「お客さま本位の行動を実践し、お客さまから感謝いただくことができた事例」について、役職員間で対話することは、代理店全体でのサービス品質向上の点で、有益です。そこで出た事例をもとに、顧客本位の業務運営に関する取組方針の策定・改定に繋げることも考えられます。

「人事・報酬(表彰)制度」では、以下の事例が挙げられています。
・・・・・
④営業組織の表彰制度において、地域振興やお客さま本位の業務運営に向けた取組内容に対する評価を実施する等の取組みが見られた。 ・・・・
コンプライアンスは減点主義(ルール違反をしたら評価を下げる)になりがちなところ、「営業組織の表彰制度において、地域振興やお客さま本位の業務運営に向けた取組内容に対する評価を実施する」という加点主義を取り入れることは、現場のモチベーションを高める観点から、重要です。

上記の他にも事例が記載されていますので、是非、参考にしていただければと存じます。

11/03/2025

みなさんこんにちは。弁護士の吉田桂公です(のぞみ総合法律事務所パートナー弁護士、MBA(経営修士)、CIA(公認内部監査人)、CFE(公認不正検査士)、認定経営革新等支援機関、日本損害保険代理業協会アドバイザー)。

今国会で予定されている保険業法の改正では、以下のように、特別利益の提供規制に関する改正もなされる見込みです。
すなわち、現行では、保険会社や保険募集人(保険代理店)が、
・保険契約者又は被保険者に対して(対象)
・保険料の割引、割戻しその他特別の利益の提供(行為)
を行うことを禁止していますが、それらに以下が追加されます。

(対象)
・保険契約者又は被保険者と密接な関係を有する者(内閣府令において、保険契約者のグループ会社等が規定される予定です)

(行為)
・取引上の社会通念に照らし相当であると認められない物品の購入や役務の提供(いわゆる便宜供与)

このように、現行の特別利益の提供規制から規制対象が広がります(規制強化がなされます)。

現行の特別利益の提供規制においても、何が「特別の利益」に該当するのかについては、判断が難しい場面がありますが、生命保険協会「保険募集人の体制整備に関するガイドライン」の別紙2-1・2-2が参考になります。
https://www.seiho.or.jp/activity/guideline/pdf/taiseiseibi.pdf

保険契約者や被保険者、また、その密接関係者に、物品やサービスを提供する場合には、十分に注意してください。
以上

29/12/2024

【今年も一年、ありがとうございました!】
皆様こんにちは、SD Financial Technology代理店部門の奈良です。
今年も1年間、弊社の公式SNSをご覧いただきまして、誠にありがとうございました。
今年は新しいシステム『VOS2.0』を発表させて頂き1年が経過して新規のお客様による利用も増えております。また既存のユーザー様の保険VOSからVOS2.0への移行も進めさせて頂いております。
VOS2.0への新機能も来年の早い時期には保全ポータル・意向把握・実績管理をリリース予定です。
その後も保険代理店様のお役に立てるよう様々な支援機能をモバイルも含めリリースを予定しております。
来年も引続き宜しくお願い申し上げます。
良いお年をお迎えください。
年末年始休業期間
・2024年12月28日(土)~ 2025年1月5日(日)
業務開始
・2025年1月6日(月)午前9時より
詳しくはホームページをご覧ください。
https://vos2.socio-diversity.co.jp/?p=2476

08/10/2024

みなさんこんにちは。弁護士の吉田桂公です(のぞみ総合法律事務所パートナー弁護士、MBA(経営修士)、CIA(公認内部監査人)、CFE(公認不正検査士)、認定経営革新等支援機関、日本損害保険代理業協会アドバイザー)。

6月25日に「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」報告書が公表されましたが(https://www.fsa.go.jp/news/r5/singi/20240625.html)、それ以降、同報告書を踏まえた施策がどんどん進んでいます。
例えば、以下のようなものがあります。

○7月25日
損保協会「募集コンプライアンスガイド追補版」が公表
※保険会社の保険代理店に対する不適切な便宜供与等について整理がなされています。
https://www.sonpo.or.jp/news/notice/2024/g34l0i00000037gy-att/240725_02.pdf

○9月19日
・損保協会「政策保有株式に係るガイドライン」の策定
https://www.sonpo.or.jp/news/release/2024/g34l0i0000003ynm-att/240919_01.pdf

・「損害保険会社からの出向者派遣に係るガイドライン」の策定
https://www.sonpo.or.jp/news/release/2024/g34l0i0000003yrf-att/240919_02.pdf

・損保協会「代理店業務品質評価に関する第三者検討会」の設置
https://www.sonpo.or.jp/news/release/2024/g34l0i0000003ytj-att/240919_03.pdf

・損保協会、代理店手数料ポイント制度の考え方に会員会社が賛同
https://www.sonpo.or.jp/news/release/2024/g34l0i0000003yw2-att/240919_04.pdf
※各損保会社が、自社における代理店手数料ポイント制度の有無に関わらず、以下の考え方に賛同しました。
顧客本位の業務運営を推進する観点から、「規模・増収」に偏ることなく、顧客にとってのサービス向上に資する「代理店の業務品質」を重視した代理店手数料ポイント制度とする。

○9月27日
・金融審議会「損害保険業等に関する制度等ワーキング・グループ」(第1回)が開催
https://www.fsa.go.jp/singi/sonpo_wg/gijishidai/20240927.html

損保協会「代理店業務品質評価に関する第三者検討会」(第1回)は、9月25日に開催されました。
https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/quality/index.html

評価指針の骨子もすでに公表されていますが、評価指針は、大規模代理店だけでなく、中小規模代理店を含めたすべての代理店を対象とすることが想定されています。
上記のとおり、代理店手数料ポイントも、「代理店の業務品質」を重視したものとなります。
本気で業務品質の向上・態勢整備に取り組まないと、収益は減少します。
“待ったなし”の状況です。
問われているのは、業務品質の向上・態勢整備に対する“本気度”と“スピード”です。

以上

09/09/2024

みなさんこんにちは。弁護士の吉田桂公です(のぞみ総合法律事務所パートナー弁護士、MBA(経営修士)、CIA(公認内部監査人)、CFE(公認不正検査士)、認定経営革新等支援機関、日本損害保険代理業協会アドバイザー)。

今回は、2024年8月30日に公表されました「2024事務年度 金融行政方針」(以下「本方針」といいます。)の中の保険代理店に関する項目について、概説します。
https://www.fsa.go.jp/news/r6/20240830/20240830.html

本方針は、2024事務年度(2024年7月~2025年6月)の金融行政における重点課題および金融行政に取り組む上での方針となります。

1 顧客本位の業務運営の確保
本方針4頁では、「家計が安心して金融商品を購入できる環境を整備するため、「金融商品取引法等の一部を改正する法律」(2023年11月成立)により、金融商品の組成・販売・管理等において金融事業者に顧客等の最善の利益を勘案すること等を義務付けたところ、このために必要な態勢が構築されているかモニタリングを行う」と記載しています。
保険代理店・保険募集人も最善利益義務を課されるところ、同義務を果たすために「必要な態勢が構築されているかモニタリング」がなされることから、保険代理店は、当該態勢の構築を行うことが重要です。
また、本方針17頁では、「家計が安心して金融商品を購入できる環境を整備するため、販売会社等の顧客本位の業務運営の確保に向けモニタリングを行う。具体的には、販売会社等において、経営陣の関与のもと、適切なプロダクトガバナンス態勢、販売・管理態勢、従業員の報酬・業績評価体系が整備されているかについてモニタリングを行うとともに、各金融機関が公表している「顧客本位の業務運営に関する原則」に基づく取組方針に関して金融機関と対話を行う」と記載しています。
保険代理店においては、「経営陣の関与のもと、適切な・・・販売・管理態勢、従業員の報酬・業績評価体系が整備されているか」についてモニタリングがなされ、また、顧客本位の取組方針(FD宣言)に関して対話がなされることが想定されます。
保険代理店は、最善利益義務を意識した意向把握及び比較・推奨の態勢の構築(顧客本位の推奨方針の整備等)、深度ある自主点検・内部監査の態勢の構築が必要であるほか、販売実績だけでなく顧客本位の実践状況や業務品質を評価するような報酬・業績評価体系を整備することが重要です。

2 サイバーセキュリティの強化
本方針19頁では、「技術の発展や地政学リスクの高まりを背景に、近年サイバーセキュリティに関するリスクが顕著に増大している。例えば、外部委託先を含むサプライチェーンの弱点を悪用した攻撃により金融機関でも被害が発生しているほか、国家等が関与・支援している主体によると見られる高度なサイバー攻撃が出現している」、「金融システム上の重要性・リスクなどを勘案の上、新たに策定した「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン」(2024年6月パブリックコメント案公表(https://www.fsa.go.jp/news/r5/sonota/20240628-2/20240628.html))の運用などを通じて、金融機関におけるサイバーセキュリティ管理態勢の強化を促す」と記載しています。
保険代理店も多数の顧客情報を保有していることから、コンティンジェンシープラン(サイバー攻撃を受けた場合や顧客情報の漏洩等が発生した場合の対応について、経営陣への報告・関係機関との連携等を定めたもの)の策定など、サイバーセキュリティに対する取組みを進める必要があります。

3 保険市場の信頼の回復と健全な発展に向けて
本方針23頁では、「「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」の報告書(2024年6月公表)を踏まえ、第三者による評価の仕組みの導入等による損害保険会社の大規模代理店に対する指導等の実効性の向上や保険会社による自社商品の優先的な取扱いを誘引する便宜供与の解消、保険会社における適切な保険金支払管理態勢の確保、企業内代理店の実務能力の向上や自立の促進などについて、今後、必要な調査・分析を行った上で、監督指針の改正及び業界ガイドラインの策定・改正等を進める」と記載しています。
「第三者による評価の仕組みの導入等による損害保険会社の大規模代理店に対する指導等の実効性の向上」、「保険会社による自社商品の優先的な取扱いを誘引する便宜供与の解消」、「保険会社における適切な保険金支払管理態勢の確保」、「企業内代理店の実務能力の向上や自立の促進」(特定契約比率規制の厳格運用)は、法改正ではなく、監督指針の改正や業界ガイドラインの策定・改正で対応できるところ、そうした改正等が進められます。
さらに、本方針23頁では、「金融審議会において、大規模な保険代理店における態勢整備の厳格化、保険仲立人の活用促進、企業向け火災保険の赤字状況等の論点について、制度改正の必要性を含め、具体的な対応を検討する」と記載しています。
「金融審議会 損害保険業等に関する制度等WG(仮称)」が設置されることとなっていますが(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/soukai/siryou/20240826/2.pdf)、そこで、上記論点に関する審議が進められます。
なお、「令和7年度予算、機構・定員要求」2頁(https://www.fsa.go.jp/common/budget/yosan/7youkyuu/01.pdf)では、「保険代理店に対する検査・監督体制の強化(企画官の設置等)」が挙げられています。こうした動向を踏まえると、保険代理店に対する検査・監督が強化されることが想定されます。
保険代理店においては、規制や当局モニタリングが強化されても、それに対応できるように、PDCAサイクルの中でも、特に、C・A(自主点検・内部監査)の強化・深化を図り、深度ある業務実態の検証(なお、その前提として、詳細かつ具体的な顧客対応履歴を残す必要があります)、深度ある原因分析(PDCAサイクルのどこに原因があるかという観点で分析を行う、「“なぜ”を5回問う」など)、対応期限を意識した改善活動の完遂に取り組む必要があります。

以上

25/06/2024
13/05/2024

みなさんこんにちは。弁護士の吉田桂公です(のぞみ総合法律事務所パートナー弁護士、MBA(経営修士)、CIA(公認内部監査人)、CFE(公認不正検査士)、日本損害保険代理業協会アドバイザー)。

本年4月3日付で、生命保険協会「市場リスクを有する生命保険の募集等に関するガイドライン」が改正されました。
https://www.seiho.or.jp/activity/guideline/pdf/marketrisk.pdf
昨今、金融庁がターゲット型の外貨建保険を問題視していること(※注)、「最善利益義務」が導入されたことが、改正の背景にあるようです。
(※注)「リスク性金融商品の販売会社等による顧客本位の業務運営に関するモニタリング結果(2023事務年度中間報告)」を参照。
https://www.fsa.go.jp/news/r5/kokyakuhoni/202403/fd_202403.html

主な改正ポイントは、以下のとおりです。ご確認ください。

○「販売開始後において、生命保険会社並びに代理店等の生命保険募集人は、想定顧客への適切な販売がなされているか以下の視点に基づき定期的に検証し(販売件数等の定量面のチェックの他、実査によるサンプルチェック等)、代理店等の生命保険募集人において、顧客ニーズに沿わない不適切な販売がなされている懸念が認められる場合は、速やかに改善に向けた対応を行うことに留意する。なお、代理店等の生命保険募集人において改善に向けた対応が困難な場合、生命保険会社は、当該代理店等における当該商品の継続販売の是非も含めて検討を行う。
① 販売動向・解約動向
② 顧客属性(年齢、投資経験、リスク許容度、知識、家族構成、資産の状況等)
③ 募集プロセス(商品絞り込みの経緯、適合性確認の状況、意向把握・確認義務等)」(p3)

⇒保険代理店は、外貨建保険等の想定顧客への適切な販売がなされているかについて、上記の①~③に基づいて定期的に検証する必要があります。

○「生命保険会社と代理店等の生命保険募集人は、顧客からの契約内容に関する照会や苦情・相談への対応等、保険契約締結後に行うことが必要となる業務に関する分担について整理するとともに、顧客に対して苦情・相談の受付先を明示する等の策を講じ、顧客が照会先や相談先などで迷うことがないよう態勢を整備する必要がある。とりわけ、代理店等の生命保険募集人においては、直接顧客と接し、募集を行う立場上、中長期においても顧客の最善の利益を追求する必要があるところ、市場リスクを有する生命保険を販売した加入経緯や顧客の特性を踏まえたフォローアップを行うことが重要である(以下の役割分担例も参考)。
(役割分担例)
生命保険会社:コールセンターにおける照会対応、マイページでの契約照会対応、加入者への一律の通知物の発送やメールでの連絡 等
代理店等の生命保険募集人:契約成立後の契約内容の確認、販売した商品の特性や顧客の特性を踏まえた顧客毎のフォローアップ(定期訪問や相場急変時のフォロー) 等」(p11)

⇒保険代理店は、契約成立後の契約内容の確認、販売した商品の特性や顧客の特性を踏まえた顧客毎のフォローアップ(定期訪問や相場急変時のフォロー)等を行うことが重要です。

○「契約時に目標値(ターゲット)が定まっており、目標値に到達すると、その成果を自動的に確保する保険においては、目標値の到達によって運用が停止されることにより将来利益の逸失が生じる可能性があることや、また、目標値に到達・解約した後、改めて目標値を設定した保険契約に加入する場合、顧客において、一般的には目標値変更以上のコストが生じることに鑑み、顧客の最善利益を追求する観点から、目標値到達前に、目標値の変更要否等についてフォローアップを行うことが重要である。なお、生命保険会社においては、代理店等の生命保険募集人が適切にフォローアップするため必要な情報として、目標値が設定されている契約の一覧等を提供することが望ましい。」(p12~13)

⇒ターゲット型の保険に関して、保険代理店は顧客に対し、目標値到達前に、目標値の変更の要否等についてフォローアップを行うことが重要です。
以上

03/04/2024

みなさんこんにちは。弁護士の吉田桂公です(のぞみ総合法律事務所パートナー弁護士、MBA(経営修士)、CIA(公認内部監査人)、CFE(公認不正検査士)、日本損害保険代理業協会アドバイザー)。

本年3月に、「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」が設置されました。
https://www.fsa.go.jp/singi/sonpo/index.html
開催趣旨は以下のとおりです。
「損害保険業をめぐっては、昨今の保険金不正請求問題及び保険料調整行為問題を受け、関係する保険会社や代理店に対し、業務改善命令などの一連の対応を行ってきました。その中で、損害保険会社、保険代理店、企業間の関係やそれを踏まえた商慣習において不適切行為の誘因となる構造的課題や適切な競争を阻害する要因があることが認められました。
これらの問題を踏まえ、我が国損害保険市場における顧客本位の業務運営の徹底及び健全な競争環境の実現といった観点から、主に制度・監督上における必要な対応を検討するため、「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」を開催します。」

3月26日に、第1回会議が開催され、以下の項目について、議論がなされたようです。
https://www.fsa.go.jp/singi/sonpo/siryou/20240326.html

○保険金不正請求事案
・現在の保険業法は、保険会社が代理店を適切に指導・管理することを求めているが、大規模な乗合代理店に対しては、実効的な指導・管理が行われていないおそれがある。大規模な乗合代理店に対する実効的な指導・監督をどのように確保していくべきか。また、損害保険代理店の従業員(使用人)の品質向上をどのように図っていくか。
・大規模な乗合代理店の影響力が高まる中、損害保険会社がそうした代理店との関係を優先することによって、保険金の支払査定が適切に行なわれていないおそれがあるが、損害保険会社における支払管理態勢をどのように強化していくべきか。
・損害保険会社による代理店手数料ポイント制度にて規模や増収面を重視していたことが、大規模な乗合代理店に業務品質を軽視する不適切なインセンティブを与えていたおそれがあるが、損害保険会社による損害保険代理店の評価を適切に行うためには、どのような見直しが必要か。
・乗合代理店は保険募集時に複数の保険商品を比較推奨する、また、比較推奨しない場合には、当該提案の理由を説明することが求められている。しかし、今般の事案では、入庫紹介の実績等の本業支援の結果に基づき、特定の保険会社の商品を顧客に推奨していたにもかかわらず、別の理由を装っていたなど、保険業法で求める比較推奨が適切に実施されておらず、顧客の適切な商品選択が歪められていたおそれがある。乗合代理店が適切な比較推奨を行い、消費者が適切な保険商品を選択するため、どのような見直しが必要か。
・損害保険代理店が自動車修理工場等を兼業することで、損害保険代理店による利益相反行為が行われやすくなり、保険契約者の利益が損なわれるおそれもある。損害保険代理店に対し、利益相反が生じる業務の兼業を禁止すべきか。または、兼業は認めつつも、利益相反を防止する措置を実施すべきか。後者の場合にはどのような措置が考えられるか。

○保険料調整行為等事案
・現在の共同保険では、最も安い保険料を提示した社が幹事社となり当該社の保険料を基準として組成されるビジネス慣行が存在しており、独占禁止法等の抵触リスクが発現しやすい環境にあると考えられるが、適正な競争環境を整備するためには、どのような対応が必要か。
・企業向け保険契約の入札等においては、政策株式保有や本業支援など、保険契約の条件以外の要素が少なからずシェアに影響を及ぼす場合があったと考えられるが、こうした慣行をどのように是正していくべきか。
・営業部門が幹事やシェアの維持を求められ、リスクに応じた適正な保険料を提示することが困難になる中、適切な契約内容の提案を含め、実効的な保険引受管理態勢をどのように確立するか。
・企業内代理店は企業グループに属し、企業の元従業員等を多く受け入れている先もある一方、損害保険会社の代理店であり損害保険会社から手数料を得ているなど、その位置づけは不明確である。企業内代理店のあるべき姿をどのように考えるか。
・今般の事案では、損害保険会社の従業員や代理店の社員において、独占禁止法に関する知識が不足していたと考えられるが、独占禁止法等を遵守するための適切な法令等遵守態勢をどのように確立するか。

○双方の事案に共通する論点
・損害保険会社による代理店への本業支援(入庫紹介、物品・サービスの購入、社員の出向等)が、代理店による保険商品の比較推奨を歪ませ、その結果、保険契約者の適切な商品選択が歪められていたおそれもあるが、保険会社による代理店への本業支援の在り方をどのように考えるか。
・当局による保険会社及び代理店への実効的な検査・監督をどのように確保するか。

この会議での議論を踏まえた法改正等も想定されるところですので、皆さまも今後の議論の動向を注視していただければと存じます。

13/03/2024

みなさんこんにちは。弁護士の吉田桂公です(のぞみ総合法律事務所パートナー弁護士、MBA(経営修士)、CIA(公認内部監査人)、CFE(公認不正検査士)、日本損害保険代理業協会アドバイザー)。

2023年11月20日に「金融商品取引法等の一部を改正する法律」が成立し(同月29日公布)、「最善利益義務」が導入されました。
同義務の施行日は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日とされていますので、今年の11月には施行される予定です。
今回は、この「最善利益義務」の概要について、解説します。

上記改正において、「金融サービスの提供に関する法律」が改正され(なお、名称も、「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」に改正されました(※注))、同改正法第2条第1項は、「金融サービスの提供等に係る業務を行う者は・・・顧客等の最善の利益を勘案しつつ、顧客等に対して誠実かつ公正に、その業務を遂行しなければならない。」と規定しており、これを「最善利益義務」といいます。
法人としての保険代理店も、個人としての保険募集人も、「金融サービスの提供等に係る業務を行う者」に含まれ(同条第2項)、「最善利益義務」を負うことになります。

(※注)法律の名称自体は、2024年2月1日に、「金融サービスの提供に関する法律」から「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」に改称されています。
そのため、ウェブサイトや事務所内に掲示している勧誘方針や、社内規程・マニュアル等で、「金融サービスの提供に関する法律」と記載している箇所は、「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」に変更修正する必要があります。

「金融審議会 市場制度ワーキング・グループ 顧客本位タスクフォース 中間報告」(2022年12月公表)(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20221209.html)において、「家計の安定的な資産形成に向けて、全ての金融サービスの提供について顧客本位の業務運営が求められる中、金融事業者全体による顧客本位の業務運営の取組みの定着・底上げを図る必要がある」として、「金融事業者は顧客に対して誠実・公正に業務を行い、顧客の最善の利益を図るべきであることを広く金融事業者一般に共通する義務として定める」ことなどにより、「金融事業者全体による、「原則」(※注:「顧客本位の業務運営に関する原則」)に沿った顧客・最終受益者の最善の利益を図る取組みを一歩踏み込んだものとすることを促すべきである」との提言がなされました。
この提言を踏まえ、今回の改正において、「顧客本位の業務運営に関する原則」の原則2を法律上の義務に格上げし、「最善利益義務」が規定されることとなりました。
「原則2:金融事業者は、高度の専門性と職業倫理を保持し、顧客に対して誠実・公正に業務を行い、顧客の最善の利益を図るべきである。金融事業者は、こうした業務運営が企業文化として定着するよう努めるべきである。」

「最善利益義務」の導入により、目の前の顧客の「最善の利益」が何かを考えながら、商品提案を行うことは当然として、会社として「最善利益義務」を果たす態勢を構築するためには、
①自社の顧客にとっての「最善の利益」は何か
②その「最善の利益」を確保するために、どのようにPDCAサイクルを回しているのか
について合理的に説明できる必要があると考えます。

②については、
・顧客本位の取組方針(FD宣言)の策定・公表
・顧客本位の取組方針(FD宣言)の実践
・KPIによる評価、改善活動
を行う必要があると考えます。

これまで、顧客本位の取組方針(FD宣言)の策定・公表をしていなかった代理店や、一応顧客本位の取組方針(FD宣言)策定・公表はしているけど、きちんと実践はしていない代理店、また、KPIによる評価を行っていない(一応KPIは作っているけど、顧客本位の取組方針(FD宣言)との対応関係がよくわからない場合を含む)代理店は、「最善利益義務」を充足していないと判断されるおそれがあります。
本気で、顧客本位の業務運営を実践する必要があります。形だけ取り繕うということでは通用しません。
心して取り組んでいただければと存じます。

住所

Fukuoka-shi, Fukuoka
8100003

アラート

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