07/05/2026
マンション防災シリーズ<21>
Team FB防災士の城戸です。
前回より間が空いてしまいました。申し訳ありません。
この間に、大きな地震が発生しました。4月20日の午後4時52分頃に三陸沖を震源とする最大震度5弱の地震が発生し、震源の位置がプレートの境界線で起きる「海溝型地震」であったために、津波の発生があり、併せて「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発令されました。
この後発地震注意情報というのは、発令(先発地震発生)から1週間ほどは同地域を中心とした場所で後発の大きな地震が発生する確率が平時の10倍程度に上がっているため、注意して生活をするようにというものです。
結果的に大きな地震は発生しませんでしたが、今回の注意情報発令に限らず、地震はいつどこで発生してもおかしくない災害であり、マグニチュード(地震の規模)や最大震度に関わらず、条件によっては大きな被害が出る可能性のある災害です。常に災害対策、発生時の対応を念頭において生活をしていただければ幸いです。
さて、今回のマンション防災シリーズでは前回のマンション災害対策本部組織の編成に関連して、その組織の組成の考え方、「ICS」について少し解説します。
ICSとはIncident Management Systemの略で、アメリカ合衆国で開発された災害現場・事件現場などにおける標準化された管理システムの事です。災害・事件など種類を問わず、日常の事件・事故からテロ事件・災害などの危機管理まであらゆる緊急事態対応で使用されており、自主防災組織・地域防災、原子力防災、さらにコンサート、パレード、オリンピックのような非常時以外のイベントなどでも活用されています。
ちなみにアメリカでは2004年にFEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁) によって制定された米国インシデント・マネジメント・システム (National Incident Management System, NIMS) で、米国で発生するあらゆる緊急災害・緊急事態に ICS を適用することが定められています。
この考え方は、最初に現場に到着した部隊の指揮官が現場指揮を行い、後に上級指揮官が到着した場合は引き継ぐ、組織はいくつかの形が決まっており、その役割を明確にして、必要な最低限の組織から開始して、必要に応じて拡大する、などの大きな考え方があります。
これは、マンションの災害対区本部でも応用できる内容として、基本的な考え方を私は推奨しています。なぜなら、事前に組織の形態をかっちりと決め、その担当者まで決定している「机上の組織図」を完成させても、いざ災害が発生した際にその人員がいるかどうか変わらないので、現場で臨機応変に対応できる組織のつくり方にしておくということが求められるからです。例えば、理事長が本部長として決まっていても、いざ災害発生時にはお仕事で不在、という事態は安易に想像できます。
したがって、組織の最低限の形やその後の拡大した組織の形、イメージと人員の考え方を作っておき、現場で判断して組成しておくことの方が実態に合っているとして主流になりつつあります。
これを防災訓練などで人を変えて繰り返し訓練、シミュレーションを行うことで、実際の災害発生時に即時対応ができる体制が作れます。ぜひ、ご自身のマンションの環境や居住者特性なども考慮して組織の形を整理して、考えてみてください。
今回は以上です。次回は少し時事的な話しですが、区分所有法の改正と標準管理規約についてのお話しです。
ぜひまたお読みいただければと思います。よろしくお願いいたします。
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