02/02/2026
「生成AI」と「靴」──なんとなく似ているという話
こんにちは。エンジニアのニオです。 皆さんは業務で生成AIを使っていますか。 コードを書いてもらったり、アイデア出しに使ったりしているでしょうか。 私は主にリファクタリングなどで活用していますが、使っているうちにふと思ったことがあります。 人によって生成AIの使い方に違いがある。 生成AIにはさまざまな意見や考え方があり、その違いがそのまま使い方にも表れているのでしょう。 今回は、その違いを「靴」に例えて整理してみたいと思います。 靴で例えるならスニーカー ちょっとしたモックや保守用コメントを生成AIに書かせる、そんな使い方をしている人は多いのではないでしょうか。 「面倒だな」と思う作業をAIに任せる、カジュアルな使い方です。近場のちょっとした用事を済ませるときに履く「スニーカー」や「運動靴」「サンダル」のような使い方。便利なツールの一つとして使う形です。 靴で例えるなら競技用スパイク 生成AIを業務に組み込み、効率アップを狙って活用している人も多いでしょう。まるで陸上のスパイクのように地面をしっかり捉え、前へ進む力を得るような使い方です。 しかし中には、 ・「早くはなったけど、それほど楽にはなっていない気がする」 ・「むしろ精神的に疲れた」 と、理想とのギャップを感じている人もいるかもしれません。 業務を陸上競技の1000m走だと考えると腑に落ちます。 どんな靴で走っても1000mは1000m。 スパイクはあくまで“速く走るための道具”であり、使う筋肉や負荷のかかり方は運動靴とは異なります。 ・思ったような結果が返ってこなかった ・結果の妥当性を検証するのに時間がかかった ・頭の中のロジックをプロンプトとして書き起こすのに手間取った こうした点が「実はそれほど楽になっていない」と感じる理由でしょう。 ただ、これは使い続けることで習熟していくものです。選手の鍛錬とスパイクが合わさって初めて速く走れるように、AIも使い続けることで真価を発揮するのではないでしょうか。 靴で例えるなら安全靴 リファクタリングやバグチェック、ロジックの見落とし確認をAIに任せる。そんな使い方をする人もいると思います。 プログラミング向けの生成AIには、バグチェック機能を備えたものもあります。 コードを書くのは自分で、検証作業をAIに任せる。 もしかすると、これが最も一般的な使い方かもしれません。 競技用スパイクのように劇的な時間短縮にはつながらないかもしれませんが、個人的にはとても良い向き合い方だと思います。危険を事前に察知し、安全な実装を目指す──まさに「安全靴」のような使い方です。 靴で例えるなら下駄 リファクタリングやロジック生成をAIに任せると、自分が思っていた以上に複雑な構造や新しい記述が返ってくることがあります。そこから新たな知見を得たり、見落としていた情報に気づくこともあるでしょう。このように、AIをメンターやコーチのように使う人もいるかもしれません。 現代では下駄を履く機会はあまりありませんが、一般的な靴より足指の筋肉を使うため、姿勢改善や血行促進などの効果が期待できるのではないかと言われています。 下駄のように、AIを使うことで自分の知識や経験を蓄積していく──そんな使い方もあるのだと思います。 下駄は下駄でも「履かされる下駄」 AIはプロンプトを送ればすぐに結果を返してくれます。 しかし、その結果が適切かどうか判断できる前提を忘れてはいけません。 例えば、知見のない言語での開発をAIに任せたとします。 多くの場合、動くものは返ってくるでしょう。 しかしそのコードは自分にとってブラックボックスになり、仕様変更が発生してもAIに頼るしかなくなります。 生成AIを使ったことがある人なら思い当たるのではないでしょうか。 同じプロンプトでも、返ってくるコードの内容は毎回微妙に異なります。 あたかも一度すべてを白紙に戻したかのように、新しいコードを書き直すこともあります。 これは、生成AIが「今までの出力を前提として動いていない」という特性が原因だと考えます。 人間なら「既存コードの意図を確認したうえで追記・修正」を行います。 しかしAIは「既存コードの意図を確認」をしません。というか、できません。 「既存コードの意図」は過去の情報であり、AIはそれを保持できないのです。 あくまで与えられたプロンプトを満たす最適なコードを、今この瞬間にゼロから生成しているのです。 その”最適”とはプロンプトに対する最適であって、プロジェクト全体に対する最適ではありません。 改修を頼み続けるうちに、プロジェクトとの整合性が崩れ、いつか正常に動かなくなる可能性もあります。 そしてその修正もAIに頼るしかなくなる── これは健全な使い方とは言えないのではないでしょうか。 まとめ:まず自分の脚で歩けるように 生成AIは、人間に「靴」を履かせ、業務という道を快適に進めるための道具だと私は思っています。 もし、自分の身の丈に合わない高い歯の下駄を履いたらどうなるでしょう。 バランスを取るだけで精一杯で、歩くどころか転んでしまうでしょう。 まずは、自分の脚で歩ける“体力”──つまり知識と経験を身につけること。そのうえで、状況に合った靴を選ぶようにAIと向き合う。それが、生成AIとの健全な使い方なのではないかと私は思います。
こんにちは。エンジニアのニオです。 皆さんは業務で生成AIを使っていますか。 コードを書いてもらったり、アイデア出しに使ったりしているでしょうか。 私は主にリファクタリングなどで活用していますが、使っている....